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館山・センチメンタルジャーニー(その2:遠い夏の思い出を探して) [旅]

8月30日(水)
(続き)
私は、北関東の山間盆地(埼玉県秩父市)に生まれ育ったが、幼稚園(年長)から小学5年生まで6~11歳の6年間(1961~66年、昭和36~41年)、毎夏3週間くらい、親戚の別荘(母方の会津藩士の相役で、明治以後、経済界で成功した一族)を借りて千葉県館山市に滞在した。

海辺育ちの両親(とくに母親)が、避暑と海を知らない子ども(私と妹)に海を見せて泳ぎを教えることを兼ねてだったと思う。
だから、子供の頃の夏休みの記憶のかなりの部分は館山での思い出が占めている。
大人になってからたぶん4度ほど館山には来ているが「別荘」の場所にはいっていない。
今回の夏のひとり旅は、51年ぶりに思い出の場所を探すことが目的。

館山駅は、1999年に南欧風の赤い屋根の橋上駅舎に大改装されて、昔の面影は全くない。
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館山駅旧駅舎(1981年撮影)
館山駅(1981年).jpg
↑ そうそう、こういう駅だった。

駅前(東口)ロータリー。
きれいにはなっているけど、うっすら記憶がある。
駅前の建物は、そんなに変わっていないのではないだろうか?
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あっ、「中村屋」だ!
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この建物は、記憶がある。
1階がパン屋さん、2階が喫茶室、右側の塔のような部分が階段。

昭和30年代の館山で唯一の都会的な店で、夏の間、母や祖母に連れられて、よく来た。
懐かしい思い出の場所。

入ってみたいけど、今は別荘の場所を探すのを優先。
後で絶対に寄る。

さあ、探索。
駅前から、線路に平行した道を北に300mほど歩く。
IMG_6400.JPG
道の両側に沼があったはずだが、今は埋め立てられている。
突き当たって左折すると踏切がある。
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踏切を越えて歩いていくと、道の先に海が見えてくる。
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ここまでは記憶通り。
で、右折するのだが・・・どこだろう?
少し迷ったが、やはりここしかない。
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記憶では、曲がり角の両側は畑で、建物はなかった。

少し歩くと、別荘や企業の保養所があるはずだが・・・。
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その跡地らしき場所。
記憶では、舗装されていない、砂地の細いまっすぐな道。
途中に麦茶を飲める茶店があったはずだが、ない。
この道で間違いないはずだが、少し不安になる。

500mほど歩いて、あっ! ここだ。
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門の位置や建物は変わっているけど、松の木に記憶がある(もっとたくさんあった)。
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そうだ、57年前、私はこの道を、父母や祖母に手を引かれて海に向かったのだ。
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ちょっと失礼して、塀越しに覗いてみる。
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庭は50年前の面影を残している。
芝生の庭で、バッタを採った思い出がよみがえる。
右手に2階建ての主屋があり、正面の建物の場所に平屋の建物があった。
別荘の主である一族が使わない夏は主屋に、使う予定がある夏は元は使用人夫婦が住んでいた平屋の方を借りた。
私は暗くいかめしい主置よりも、明るい縁側があり風通しの良い平屋の方が好きだった。

別荘の前に、保養所のような施設があり、そこに植えられていた大きな蘇鉄の前で撮った写真がある。
資料0.jpg
たぶん6歳だと思う。
場所は間違いなくここだと思うけど、空き地になっていて、蘇鉄はなかった。
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海に行く前に、ちょっと寄り道して線路の方へ。

生け垣に囲まれたこの道は、50年前は、まだ青い稲穂が揺れる水田の中の道だった。
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祖母に連れられ、この道で館山駅に向かうC57蒸気機関車が牽引する列車を見た記憶がある。
内房線(当時は房総西線)の木更津~千倉間の電化は1967年7月11日。
それに先立つ、7月10日に館山行き135列車さよなら運転(C57-105号機牽引)が行われた。

「綾部踏切」という踏切。
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館山駅の方向。
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戻って、海に向かう。
別荘の裏(海より)は、広い松林で「館山シーサイドホテル」の松林の中にバンガローが散在していた。
IMG_6422.JPG
↑ この感じ、記憶がある。
IMG_6421.JPG
幼い私は、この松林を渡る風の音、遠く聞こえる潮騒を聞きながら眠りについた。
(続く)
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