「墓場鬼太郎」から「ゲゲゲの鬼太郎」へ [世相]
11月30日(月)
水木ファンなら周知のことだが、水木しげる先生の代表作である「ゲゲゲの鬼太郎」は、最初「墓場鬼太郎」(1960年~)という作品名だった。
画風やストーリーももっと陰惨だった。
「目玉の親父」の登場シーンは、腐乱した遺体から眼球がこぼれ落ちるという、実際にそういう状態の死体を見た人でないと描けないもの。
↑ 「目玉の親父」の登場シーン
そもそも、臨月で亡くなり土葬された母(岩子)から生まれた赤ん坊の鬼太郎が墓場の土をかき分けて這出てくるシーンから始まるのだからグロテスク。
↑ 鬼太郎の誕生シーン。
大きくなった鬼太郎もけっして「良い子」ではなく、よく煙草を吸っていたり、暴力的だったり、どちらかと言えば不良ぽかった。
↑ 煙草を吸う鬼太郎
↑ 「墓場鬼太郎」の画風
それが、テレビアニメ(1968年から)になり、放送が繰り返されるうちに、鬼太郎はどんどん正義の味方になり、イメージもかわいくなり、仲間の妖怪たちもファミリー化していった。
↑ アニメキャラクター化した鬼太郎
↑ 比較的初期の妖怪仲間
とりわけ猫娘の美形化は、すさまじい。
↑ 猫娘のbefor & after
「国民」的に愛されるキャラクターになっていったわけだが、同時に原作が持っていた敗戦直後の日本社会の陰惨さや「毒」が失われてしまった。
私はかろうじて原作の「墓場鬼太郎」をリアルタイムで知っている世代なので、かわいい鬼太郎を見るたびに、微妙な違和感を覚える。
水木ファンなら周知のことだが、水木しげる先生の代表作である「ゲゲゲの鬼太郎」は、最初「墓場鬼太郎」(1960年~)という作品名だった。
画風やストーリーももっと陰惨だった。
「目玉の親父」の登場シーンは、腐乱した遺体から眼球がこぼれ落ちるという、実際にそういう状態の死体を見た人でないと描けないもの。
↑ 「目玉の親父」の登場シーン
そもそも、臨月で亡くなり土葬された母(岩子)から生まれた赤ん坊の鬼太郎が墓場の土をかき分けて這出てくるシーンから始まるのだからグロテスク。
↑ 鬼太郎の誕生シーン。
大きくなった鬼太郎もけっして「良い子」ではなく、よく煙草を吸っていたり、暴力的だったり、どちらかと言えば不良ぽかった。
↑ 煙草を吸う鬼太郎
↑ 「墓場鬼太郎」の画風
それが、テレビアニメ(1968年から)になり、放送が繰り返されるうちに、鬼太郎はどんどん正義の味方になり、イメージもかわいくなり、仲間の妖怪たちもファミリー化していった。
↑ アニメキャラクター化した鬼太郎
↑ 比較的初期の妖怪仲間
とりわけ猫娘の美形化は、すさまじい。
↑ 猫娘のbefor & after
「国民」的に愛されるキャラクターになっていったわけだが、同時に原作が持っていた敗戦直後の日本社会の陰惨さや「毒」が失われてしまった。
私はかろうじて原作の「墓場鬼太郎」をリアルタイムで知っている世代なので、かわいい鬼太郎を見るたびに、微妙な違和感を覚える。
2015-11-30 14:49
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コメント(3)
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今は亡き、大正生まれの父が漫画やアニメが好きで、少年マガジンやジャンプを子供の頃に毎週買いに行かされた記憶が(アニメは、ドラゴンボールがお気に入りで毎週観てたし^^)七つ上の姉も漫画好きで、その為か当時2〜3才だった筈なのに微かに墓場の鬼太郎が記憶の中にあります。
by ルクス (2015-11-30 17:56)
既にアニメの鬼太郎で馴染んでいた小学生の頃、
父の同僚だった方からたくさん古いまんが単行本を戴きました。
その中に墓場鬼太郎もあってアニメと全く違う鬼太郎に驚きながら作品に引き込まれたものです。
墓場鬼太郎も近年アニメ化されましたが原作のおどろおどろしさは薄れてますね。
本当に妖怪になってしまった…。
by 相沢 一子 (2015-11-30 19:21)
私は少年サンデー派でしたが、友達と交換してマガジンもしっかり読んでいました。「墓場の鬼太郎」が登場したのは多分小学校高学年の時だったと思いますが、いや〜、なんておぞましい漫画なんだと思い、とても好きになれませんでした。それがいつの間にか「ゲゲゲの鬼太郎」と改名され、なんか可愛らしい漫画になっているのを知った時は驚きました。テレビの商業力はおぞましいです。
by Komatsu (2015-11-30 22:35)