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銘仙図鑑(44)薄茶地に朱色とオリーブ色の長方形の銘仙 [銘仙図鑑(新規)]

9月28日(月)

これまで、昭和戦前期の銘仙を中心に紹介し、昭和戦後期の銘仙はほとんど取り上げてこなかった。
理由は単純で、私のコレクション、およびYUKOのコレクションに、戦後期の生産と思われる銘仙が少ないからだ。

戦後期の銘仙は、繊維統制が解除された昭和26年(1951)頃から生産が活性化し、昭和30年(1955)頃にピークを迎える。
しかし、昭和32年(1957)頃からのウール着尺の流行の影響や、そしてなにより大衆衣料の洋装化の進行によって需要・生産が急激に減少し、昭和40年代(1965~)にははほとんど姿を消してしまう。
生産期間はわずか15年ほどだった。

また、戦後の銘仙着尺の生産は、伊勢崎(群馬県)に限定されていて(秩父はもっぱら布団皮)、戦前期のような生産地の競争やバリエーションはない。

戦後期の銘仙の特色をまとめるには資料が不足しているが、デザイン的には、占領軍(進駐軍)とともに日本に入ってきたアメリカの洋服地のデザインを模倣したポップなものが主流になるとされている。
戦前の大胆な色づかいの大柄は衰退し、(地の部分が大きい)比較的小さな柄、カーテンやテーブルクロスに見られるような柄が多いように思う。
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銘仙図鑑(44) 薄茶地に朱色とオリーブ色の長方形の銘仙 
銘仙44-1(2).jpg  

【番号】 044
【名称】 薄茶地に朱色とオリーブ色の長方形の銘仙
【色柄】 やや赤みのある薄茶色の地に、くすんだ朱色と暗いオリーブ色の長方形を規則的に織り出す。
     長方形は1幅に約6個で、柄としてはかなり小さい。
     柄と地の比率は緯糸で約3:2で、地の面積がかなり大きい。
     配列は規則的だが、単調で工夫に乏しい。
     長方形の柄は朱色とオリーブ色の中に色を変えて複数の図形を織り出すが、大きく崩れているため何種類あるか不明。
     織ずれはかなり大きく、柄の崩れも目立つ。
     戦後期に生産された普及品の銘仙の典型。
【技法】 平織、緯糸捺染の横綜。
【産地推定】 伊勢崎(群馬県)?
【年代推定】 昭和30年(1955)前後?
【所蔵者】 三橋順子
銘仙44-2(2).jpg
↑ 長方形は1幅6個で、柄としては小さい
銘仙44-3.JPG
柄は、くすんだ朱と暗いオリーブの2色
銘仙44-4.JPG
↑ 朱色に白
銘仙44-5.JPG
↑ 朱色に鼠色
銘仙44-6.jpg
↑ 朱色にオリーブ色
銘仙44-7.JPG
↑ オリーブ色に朱色
銘仙44-8.JPG
↑ オリーブ色に薄いピンク
銘仙44-9.JPG
↑ オリーブ色に鼠色(コントラスト悪い)
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