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箱根山、レベル2(火口周辺の立ち入り規制)に [地震・火山・地質]

5月6日(水・休)
レベル2(火口周辺の立ち入り規制)への引き上げの直接的な理由は、記事にある通り、昨夜(4日)21日の有感地震(M2.6 最大震度1)。
震源の深さが5kmで、深さ10kmにあるとされる箱根火山のマグマ溜まりに、近づいてきているから。

もしも、水蒸気爆発があったら、大涌谷周辺に集まっている観光客に被害が出るのは確実だし、大涌谷近くの上空を通過しているロープーウェイも噴出物や噴煙の直撃を受けかねないので、レベル2への引き上げは妥当だと思う。

ただ、今までの気象庁だったら、GW期間中で観光産業に多大な影響があることを考慮して、数日、様子を見たのではないだろうか。
それを、遠慮することなく、レベル2(火口周辺の立ち入り規制)に引き上げたのは、63人もの犠牲者を出した昨年9月の木曽御嶽山の水蒸気爆発の影響。

まあ、大きな水蒸気爆発はないと思うが、いったん噴火したら、人間の力など及ばない火山に対しては、警戒するに越したことはない。

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箱根山の火口付近「小規模な噴火の恐れ」 気象庁
火山性地震が増加していた箱根山(神奈川県)について、気象庁は6日、噴火警戒レベル1(平常)から、火口周辺の立ち入りを規制するレベル2に引き上げる火口周辺警報を発表した。同庁は今後、火口付近の大涌谷で小規模な噴火が発生し、噴石や火山灰が飛散する恐れもあるとして警戒を呼びかけている。

箱根山ではレベル2となるのは、2009年3月に警戒レベルが導入されて以来初めて。

気象庁によると、4月26日以降、箱根山では火山性地震が増え始めた。5日はこれまでで1日の回数としては最多となる116回を観測し、体に感じる震度1の揺れも3回あった。このうち5日夜の地震では、震源の深さが約5キロとこれまでの2回よりも深い場所で起こり、地表に近いところにある熱せられた地下水が不安定になり、水蒸気爆発の可能性があるという。

記者会見した同庁の北川貞之火山課長は「大きな噴火が発生するとは考えていない。(噴火した場合の)影響は大涌谷周辺に限られ、周辺の温泉施設への影響はないが、十分警戒してほしい」としている。

噴火警戒レベルの引きあげを受け、同県箱根町は大涌谷周辺を通る箱根ロープウェイの全線運休をはじめ、一部の県道と自然探勝歩道を通行止めにすることを決めた。
『朝日新聞』2015年5月6日11時39分
http://www.asahi.com/articles/ASH563RX4H56UTIL002.html
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小林真由美

63名の死を無駄にしないためにも今回の措置は賢明なものだと思います。

自然に対する畏敬の念は持ち続けなければならない。
by 小林真由美 (2015-05-07 08:58) 

三橋順子

小林真由美さん、いらっしゃいま~せ。

従来、気象庁が規制をかけると、必ず地元の観光業者からクレームがつき、気象庁もそれにある程度、配慮してしまい、災害リスクよりも経済が優先されるのが常態でした。

幸い、今回の箱根の観光業者さんたちは良識的な方が多いようです。
by 三橋順子 (2015-05-07 23:53) 

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