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兵庫県南部地震の激震域 [地震・火山・地質]

1月17日(土)

すでに指摘されていることだけど、阪神淡路大震災をもたらした兵庫県南部地震(1995年1月17日、M7.3)の激震域は、きわめて特異な、ほぼ東西の細長い帯状に分布している。
激震帯の幅はわずか1kmほど(長田区だけは2km)で、少しずれただけで被害は大きく違った。
img03.gif
激震域の分布が、震源になった野島断層を含む六甲断層帯と同じ方向性を持つことは、すぐに気が付く。
しかし、実は厳密に言うと、揺れが大きかったのは活断層の位置とは少し違う。
03-7-2L.jpg
断層は六甲山麓を通っているはずだが、その直上よりも南側の揺れが大きく、被害もそこに集中した。
これは単なる地盤の問題ではない。
地盤で言うなら、さらに南の海岸部の新しい埋め立て地の方がずっと脆弱なはず。
なのに、埋め立て地の揺れはそれほどでもなく、被害も少なかった。

こうした震度の分布については、いろいろな説があるが、堆積層が厚い沖積平野の場合、地震波が基盤岩層で反射されて、ある地域に集中するような複雑な動きをすることがわかってきた。

実は、日本でいちばん厚い堆積層をもつ関東平野の地震波の伝わり方もかなり複雑で、近い将来に予想される東京直下型地震でも、地震波が集中するような場所ができてしまうかもしれない。

ただ、それがどこになるかは、予測不能である。
地震災害が怖い人は、海や川に近い沖積地でなく地盤が固い台地に住むしかない。
かく言う、私は川原に住んでいるのだが・・・。

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Mr. RCK

昔、関東大震災の時、旧帝国ホテルの被害が少なかった事実があります。
建築家であったフランク・ロイド・ライトは、この建物を設計するとき、チーズのような地盤に建てるようにしたと言っております。
これなら液状化しないかぎり、チーズのような地盤は震源元と建物の緩衝剤になることがわかります。
上記の埋め立て地の揺れはそれほどでもなく、被害も少なかったとは、こういうことも関連しているのではとチョット思いました。
by Mr. RCK (2015-01-18 02:30) 

三橋順子

Mr. RCKさん。いらっしゃいま~せ。
建物の被害が大きくなるかどうかは、地盤を伝わってくる地震波が起こす揺れの周期と、建造物の固有周期の関係にあるようです。
今日のNHK特集で、周期3秒の長い周期の揺れが、最新の超高層ビルを倒壊させる可能性を指摘していました。
帝国ホテルのライト館は、やはり設計的に優れていたのだと思いますね。
by 三橋順子 (2015-01-19 04:06) 

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