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巨大噴火の発生確率100年で1%  [地震・火山・地質]

10月22日(水)
「巨大カルデラ噴火」は、日本では過去12万年間に13回発生している。
つまり1万年に1回。
ところが、前回の「巨大カルデラ噴火」は鹿児島県南方の鬼界カルデラで、それを最後にもう7300年が経過している。
確率的に「もう、そろそろ・・・」ということは解っていたが、今後100年間で起こる可能性を計算したのは初めて。
しかも、結果は「100年以内に1%の確率」、地質学的な年代観では「いつ起こってもおかしくない」という、かなりショッキングなもの。
ん? でも10000年に1回なら、1000年に0.1回、100年に0.01回=1%・・・。
なんだ、コンピューター使わなくてもできる計算だった

新聞記事ではぼかしているが、被害はが最悪の「九州中部で起きるケース」というのは阿蘇山の「巨大カルデラ噴火」の想定。
その場合、「2時間以内に火砕流で九州の700万人が死亡」と推定しているが、これは西側の熊本市一帯、東側の大分・別府市一帯が全滅するのはもちろん、北側の福岡市もほぼ壊滅と推算しているということ。
熊本・大分・福岡の3県の人口合計は809万だから、その85%くらいが失われるとしないと700万人にならない。
東南海-南海トラフの巨大地震(30年以内の発生確率60 - 70%)の犠牲者想定が、最悪32万人だが、それの20倍ということ。
具体的にどういう状況になるかは、九州南部の「加久藤カルデラ」(霧島火山群)の巨大噴火を想定した地学小説の傑作『死都日本』(石黒耀著、講談社文庫、2008年)を読むとリアルに知ることができる。

私が生きているうちに、日本で起こるのは勘弁してほしい。
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巨大噴火の発生確率100年で1% 神戸大が試算、壊滅的な被害予測

日本に壊滅的な被害をもたらす「巨大カルデラ噴火」と呼ばれる火山噴火が100年以内に1%の確率で発生するとの予測を神戸大の巽(たつみ)好幸教授(マグマ学)らがまとめ、22日に発表した。現時点で差し迫っている状況ではないが、最悪の場合は日本の総人口にほぼ匹敵する約1億2千万人が死亡すると試算し、観測や研究の強化を求めた。

巨大カルデラ噴火は最大規模の破局的な噴火。火山灰などの噴出物は東京ドーム約8千杯分に相当する100億立方メートル以上で、通常の大規模噴火の数倍から100倍以上に当たる。噴火後、直径2キロ以上の巨大なくぼ地(カルデラ)を形成するのが特徴だ。

日本では過去12万年間に阿蘇(熊本県)、十和田(青森・秋田県)などで13回発生。これらの規模と頻度を統計学的に解析し、今後の発生確率を算出した。

巽教授によると、巨大カルデラ噴火の発生確率を統計学的な手法で算出したのは初めて。100年以内に1%の確率は首都直下地震などと比べるとはるかに低いが、「いつ起きても不思議ではないと認識すべき数値」としている。次にどこで発生するかは特定できないという。

被害は九州中部で起きるケースが最悪で、2万8千年前に九州南部で発生した「姶良(あいら)カルデラ噴火」の火砕流や火山灰の到達域を基に算出した。その結果、2時間以内に火砕流で九州の700万人が死亡。本州のほぼ全域で、偏西風で運ばれた火山灰が厚さ10センチ以上積もり、その重みによる家屋倒壊やライフラインの途絶などで壊滅するとした。

巽教授は日本が消滅しかねない重大な脅威だとして、「地下のマグマの状態を正確にとらえる技術を向上させ、発生メカニズムの解明を急ぐ必要がある」と訴えている
「産経ニュース」2014.10.22 19:28
http://www.sankei.com/affairs/news/141022/afr1410220036-n1.html

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コメント 2

hk

 この発生確率100年で1%は、見方によっては、

我々の時代には、こうした巨大噴火は起きない
ように聞こえますが、ただ、日本は火山大国ですから
規模の小さい噴火は、いつ起きても不思議ではないような
気がいたします。

 御嶽山の噴火に関しては、収束に向かいつつあるように
思えますが、近頃では、霧島連山(硫黄山)にも噴火の兆しが
見られるようですから、警戒を怠らないことが大切かも
しれませんね。

 東日本大震災の起きる2ヶ月ほど前には、
新燃岳(鹿児島、宮崎県)が噴火していますが、
気象庁はこの噴火と地震との因果関係は認めていません。

 ただ、念のため地震に関しても注意を払う必要が
あるかもしれませんね。

 いずれにせよ、なにも起きてはほしくないものですね。

by h.k


by hk (2014-10-26 20:19) 

三橋順子

hkさん、いらっしゃいま~せ。
発生確率100年で1%というのはけっこう微妙でして、「自分が生きている間には起こらない」とも言い切れないものがあります。
まあ、このレベルの巨大噴火となると、前兆がまったく捉えられないということはないと思うので、不意打ちは避けられると思います。
と言っても、日本国の根幹が危うくなる大災厄になることに違いはありませんが。
by 三橋順子 (2014-10-27 01:59) 

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