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女装雑誌『くいーん』掲載の挿絵画家・林月光の作品 [性社会史研究(性別越境・同性愛)]

10月22日(水)
林月光(はやし げっこう)という画家をご存知だろうか?
大正12年(1923)3月15日島根県簸川郡大社町の生まれで、本名は石原徹。
映画の看板屋や紙芝居制作などで腕を磨き、昭和22年(1947)に上京。
1950~70年代、石原豪人(ごうじん)の名でフリーランスのイラストレーターとして、カストリ雑誌・学習雑誌・少年雑誌・少女雑誌・芸能雑誌・新聞小説・劇画・広告など幅広く活動、とくに怪奇小説・探偵小説の挿絵を得意とした。
1970年代中頃から、林月光の名義でSM雑誌や同性愛雑誌にも執筆しはじめ、SM雑誌では『SMファン』、『別冊SMファン』、『SMクラブ』、『SM秘小説』、『SM奇譚』など、同性愛雑誌では『さぶ』(1974年11月の創刊時からイラストレーター)などに数多くの作品が掲載されている。
1970年代末には、『June』に石原豪人(ごうじん)名義でゲイ・エロティック・アートを発表している。
1998年(平成10年)6月19日、永眠(75歳)。

(参照)
「SMペディア」(SM大百科事典)「林月光」の項目
http://smpedia.com/index.php?title=%E6%9E%97%E6%9C%88%E5%85%89
gcat「林月光:ドラマチックな東洋のダリ」
http://www.ggccaatt.net/2014/08/13/林月光/
筑波嶺夜想曲「石原豪人-「エロス」と「怪奇」を描いたイラストレーター:少年時代の記憶に息づく作品達」 http://nocturnetsukubane.blog.fc2.com/blog-entry-314.html

近年、イラストレーターとしの評価が高まっている石原豪人=林月光だが、1980年代中頃~90年代初頭に女装専門誌『くいーん』(アント商事)に作品を残していることは、ほとんど知られていない。
その多くは、連載小説の挿絵だが、ゲイ雑誌に掲載されたものとはまた異なる、女性的で妖艶・耽美な作風のものが多い。
まだ、ちゃんと数えていないが、少なくとも40点前後はあると思う。
その芸術的価値についてはいろいろな評価があるだろうが、個人的には埋もれてしまうには惜しい作品だと思ので、いずれきちんと調査しようと思っている。

取りあえず、サンプル的に13点ほど紹介してみよう。
念のため言い添えると、掲載雑誌の性格上、また小説のストーリーからして、絵の中で女性にように見えるのは、すべて男性(女装者)である。

林月光(『Q』31号・198508)1 (2).jpg 林月光(『Q』31号・198508)2 (2).jpg
↑ 『くいーん』31号(1985年8月号)飛鳥翔「夢化粧」の挿絵
林月光(『Q』38号・198610)1 (2).jpg 林月光(『Q』38号・198610)2 (2).jpg
↑ 『くいーん』38号(1986年10月号)中田道元「出藍の男華」の挿絵
林月光(『Q』50号・198810)1 (2).jpg
↑ 『くいーん』50号(1988年10月号)中田道元「屈折した幸福」の挿絵
林月光(『Q』50号・198810)2 (2).jpg 林月光(『Q』50号・198810)3 (2).jpg
↑ 『くいーん』50号(1988年10月号)中田道元「屈折した幸福」の挿絵
林月光(『Q』55号・198908)1  (2).jpg
↑ 『くいーん』55号(1989年8月号)中田道元「屈折した幸福」の挿絵
林月光(『Q』55号・198908)2 (2).jpg 林月光(『Q』55号・198908)3 (2).jpg
↑ 『くいーん』55号(1989年8月号)中田道元「屈折した幸福」の挿絵
林月光(『Q』61号・199008)1 (2).jpg
↑ 『くいーん』61号(1990年8月号)中田道元「屈折した幸福」の挿絵
林月光(『Q』62号・199008)1  (2).jpg
↑ 『くいーん』62号(1990年10月号)中田道元「屈折した幸福」の挿絵
林月光(『Q』62号・199008)2  (2).jpg
↑ 『くいーん』62号(1990年10月号)中田道元「屈折した幸福」の挿絵

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コメント 16

丁子屋

おはとうございます

 石原豪人さんは、弥生美術館の常連さんかしら?
 林月光の展示もあった。が、こういう絵も描いたという扱いかしら
 SM誌の挿絵はいくつか見たけれど、使いまわしが多くて内容と会わない絵もあった。再使用は、画料はないか相当安いんだろうが、絵描きさんには利のない話。本人に内緒なのかもしれないけど

 

 
by 丁子屋 (2014-10-23 06:09) 

ばたふらい

懐かしい!

十代後半。田舎だったので、ゲイ雑誌を買って読むだけというゲイデビュー(ゲイであるという自覚の確認)でしたが、
その当時のゲイ雑誌に、林月光さんの挿絵がありました。

少女小説などでも見かけていたし、同じゲイ雑誌のイラストの中でも、ちょっと異質(色気ある美しい女性も描いていた)の存在でしたね。

子供(未成年)ごころに、(林月光さんは)ゲイじゃなさそう、バイかな?
それとも単に仕事でゲイ雑誌に描いているのかな? と思ってました。

石原豪人という名前でも描いていたんですね。

どんな方だったんでしょうかね?
人となりもですが、セクシャリティを知りたいです。(故林月光さんにとっては、余計なお世話でしょうが……)
by ばたふらい (2014-10-23 11:25) 

丁子屋

こんばんは

 石原豪人名義で 「謎解き・ぼっちゃん」という評論?があった。
 今も流通しているか知らんが 家にある。
 内容は 夏目漱石の「ぼっちゃん」を石原さんが読み解くというものなんだが
 ぼっちゃん以下登場する人々はみんな男色家という読み解き。下女の清さえ 老け線とショタコンにしてしまう。
 石原さんはその気があるのか気になるが。その本ではノンケだと言っていたような気がする。
by 丁子屋 (2014-10-23 18:56) 

べにすずめ

なんか、スポーツ新聞のエロ記事欄でよく見たような絵柄ですね。この方だったのかな?
下へ行くほど可憐になる……でもないか……
by べにすずめ (2014-10-23 21:48) 

西尾明子

素晴らしいです。こんなタッチの挿し絵があればどんな女装小説でも妄想を膨らませて…読者は至福の時間を過ごせるでしょう。
by 西尾明子 (2014-10-24 01:09) 

三橋順子

丁子屋さん、いらっしゃいま~せ。
石原豪人(林月光)の修業時代は高畠華宵の全盛期ですから、画風に影響があってもおかしくありません。
SM雑誌に挿絵の使いまわしがあったのは、編集者の問題ですね。
by 三橋順子 (2014-10-24 04:11) 

三橋順子

ばたふらいさん、いらっしゃいま~せ。
1970~80年代にかけてゲイ雑誌『さぶ』にたくさん作品が掲載されていたはずです。
私は未見ですが、たぶん美少年は描いても、女性的な人物は描いてないでしょう。
その点で、女装雑誌の挿絵は貴重だと思います。

石原豪人(林月光)のセクシュアリティについては、ゲイ説が根強くありますが、ゲイの人は、ゲイに関するものを書いたり描いたりする男性を「ゲイだ」と決めつける傾向があるので、要注意です。
人間のセクシュアリティって、そんな単純なものではないので・・・。

by 三橋順子 (2014-10-24 04:18) 

三橋順子

丁子屋さん、いらっしゃいま~せ。 
『謎解き・坊っちゃん』(飛鳥新社 2004年)は奇書です。
存在は知っていましたが、残念ながら、私は未見です。
石原豪人(林月光)のセクシュアリティですが、私は基本的にヘテロだと思います。
女性をこれだけ綺麗に描けるのですから。
by 三橋順子 (2014-10-24 04:27) 

三橋順子

べにすずめさん、いらっしゃいま~せ。
いつ頃の記憶でしょうか?
林月光氏は1998年没ですが、いつ頃まで描いていたのでしょうね。
『くいーん』は1990年代初頭までなのですが・・・。
by 三橋順子 (2014-10-24 04:30) 

三橋順子

西尾明子さん、いらっしゃいま~せ。
はい、その通りです。
私も林月光さんの絵で、ずいぶん妄想を膨らましました。
ある意味、今、私がある、恩人の1人です。
by 三橋順子 (2014-10-24 04:32) 

ばたふらい

言葉足らずでしたね。

林月光さんがゲイ雑誌で女性を描いてたというのは、グラビアではなく、
(グラビアでは美少年を描いてました)
ゲイ小説などの1シーンを描いた時です。
ゲイ小説の脇役に女性が出てくることもありますから。(美男のゲイに振られる女性など)

ですから、メインは美男だったり美少年だったりするのですが、その脇や陰に女性を描いているのです。
(まあ、この女性も描くと言う点で、他の挿絵家とは違ってましたね。他の画家は、脇役の女性をあまり描かなかったので)

その脇役の女性を描くときに、他の挿絵家の描く女性とは違って、
魅力的で色気ある美しい女性を描いていたんです。(女装雑記の挿絵みたいにヌードではなかったと思いますが)

それは、まだ子供(未成年)で、素人の僕にも、はっきりわかるほど違ってましたね。
だから、よく覚えています。

そういうことからも、林月光さん自身はヘテロだったという説は納得できますね。(ゲイの人は、み~んな誰でもゲイにしたがる傾向が、確かにあります)
林月光さんの描く美少年・美青年も、女性受けしそうな“正統派(?)”でしたから。
他の挿絵家が描くゲイイラストの男性とは違ってましたね。
by ばたふらい (2014-10-24 11:16) 

三橋順子

ばたふらいさん、いらっしゃいま~せ。
情報、ありがとうございます。

>その脇役の女性を描くときに、他の挿絵家の描く女性とは違って、
>魅力的で色気ある美しい女性を描いていたんです

なるほど、ここはポイントですね。
もし林月光さんがゲイだったら、ゲイ雑誌の脇役の女性をそこまで美しく描く必要は、作者的にも読者的にもないわけです。
ヘテロ説、さらに確信を深めました。

by 三橋順子 (2014-10-25 09:01) 

Gen

わあ、お耽美ですね♪
なんか見たことある絵柄だと思ったらJUNEで描いてらしたと知り納得。
石塚なんとかさんって名前は記憶にあります。
実家の押し入れに眠る雑誌の中に彼の絵があったかも・・・。

ところで素朴な疑問なのですが、普通の女の人(先生はもちろん入ってますから♪)は、男性、もしくは女性から、このような感じで「見られたい」ものなのでしょうか・・・・?

というのもですね・・・・。
自分が若くて、ゲイの自覚がなかった頃、つまり比較的普通の「女」やってた頃ですが、このような見られ方をされるのは非常に居心地悪く、できれば回避したいと色々やったことを覚えています。
向こうが勝手に誤解するのに、イメージと違うとそれはこちらが悪いことにされるので、面倒くさい・・・。
なので初めから地を出すよう心掛け、それを面白がってついてくる男とだけ付き合うようにしました。
どうしてこう見えるのだろう?私にはどんな女性もちっともこう見えないんだけど、男は女ってものに夢を託したいんだろうな、よく分からないけど、などと思ったことを思い出します。

それはともかく、かつての先生もこんな感じの色っぽい女性になりたかったのかな、などと思うと感無量です・・。
昔のお写真を見ると「なってる」感ハンパないですよ♪
今は笑顔が可愛らしいし(年下なのに失礼だったらすみません)、講義のあとは充実感で輝いています。

by Gen (2014-10-26 22:49) 

三橋順子

Genさん、いらっしゃいま~せ。
>普通の女の人(先生はもちろん入ってますから♪)は、男性、もしくは女性から、このような感じで「見られたい」ものなのでしょうか・・・・?

思いっきり「普通の女の人」ではない自覚はあるので、お返事しにくいのですが、私を含めてナルシズムがある女性は、ある程度、「見て、見て」という感覚はあると思います。
私も、「作り込んだ女」をちゃんと評価してくれる男性が好きでした。
それと、一般論として、他人に見てもらうことが、容姿のレベルアップに通じることは、経験的に間違いないと思います。

ただ、そういう方向性をもたない女性がいることも、よくわかっています。

>かつての先生もこんな感じの色っぽい女性になりたかったのかな
そうですね、最初からはっきりした方向性があったわけではなく、なんとなく自分が好きなタイプの女性を作っていたのだと思います。
それが、歌舞伎町の店にでるようになって、お客さんの男性が喜んでくれる、評価してくれるタイプに作るように変わっていったという感じでしょうか。
自分目線だけだったのが他者(男性)目線を意識するようになったということです。
あと、作り込む技術を覚えてしまうと、使って見たくなるということもあるように思います。
たとえば、胸の谷間の作り方を覚えると、やっぱり谷間が見えるような服を着たくなるということです。

by 三橋順子 (2014-10-27 02:12) 

Gen

コメント有難うございます。
とても参考になりました♪
好きな女性の方向性を作る、男目線で自分を修正していく、作り込む技術を覚えると使いたくなる、など、すごく分かります。
自分を磨くのも色々方法あるけど、人の視線にさらされるのが一番効果あるかも。
足もパンツばっかりだと太くなりますしね。

ところで自分も比較的肌を出すのは好きです。
しかしそれは自分がそういうスタイルの服を着ているのを見るのが好きだからであり、何かの行事で恋人以外の男性がいる場所に行くときは控えめにしました。
クラブとか行くときはポイント絞って露出してましたけど、男を誘うためでなく、自分がその場で自信を持って過ごすためです。
一人で堂々としてると変な男は意外と寄ってきませんね。
一番自分が着たい服を着られるのが一人で行動する時ですね。
だから一人が好きなのかも?
人の肌を見るのが好きなので自分も肌を見せたいって感じですね。

それで(なにがそれででせう?)谷間はぜひ見せてください♪
美しいものはいいものです。
ゲイにも目の保養になります。
自分らしく程よくクールに露出している人を見るのはいいものです。
そういう女性に近づく男性も粋でスマートだと思います。

ところで今はやりのスカートにレギングってスタイル、私はダメです・・・。
足が見えないならスカートの意味ない・・・・涙。
きれいにコーディネートされてれば粋だけど、ほとんどが「流行ってて楽だから」なのが見え見えで悲しい・・・。
やっぱり女の人は体調面で理由がないなら肌を出してほしいものです。
真冬ロングコートを脱ぐとミニスカートにロングブーツにVネックニットとかの人を見るとうれしくなる・・・。
まとまりなくてすみません。
毎日温度変化あるのでお気を付けてお過ごしくださいね♪


by Gen (2014-10-27 23:16) 

名無しさん

複雑な心境。年がばれるけど私は冒険王などの少年雑誌で石原豪人作の挿絵に引き込まれた世代でもあり女装にも興味があるのですこし悩んでいます。
by 名無しさん (2017-02-25 10:26) 

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