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大阪道頓堀のレズビアン・バー―1960年代の性風俗記事から(3)― [性社会史研究(性別越境・同性愛)]

5月28日(水)
『実話と手記』昭和41年(1966)1月臨時増刊号(2巻2号)は、「観光おんな読本」と題する特集号。
その中の「"男子禁制"大阪のレズビアン・バー潜入記」と題する記事は、大阪道頓堀のレズビアン・バーのルポルタージュで、情報がいたって乏しい1960年代のレズビアン業界の一端がうかがえて興味深い。
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レズビアン・バー「D」がある場所は、大阪道頓堀の「朝日座」の向かいで、「西洋の古城のような建物」。
店内は数個のボックス席とカウンターという構造で、客のほとんどが女性で、ボーイやバーテンも男装の女性。
「白いバーコートに身を固め」、「ボーイッシュ・カットの髪をきれいになでつけ、まるで宝塚の男役」のよう。
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「この種のバーは、大阪だけで十二、三軒もあり、けっこう女性の客をあつめているらし」く、「このほうでは、東京より大阪の方が一歩さきんじているようだ」。
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見出しには「男子禁制」とあるが、実際には男性も入店できたようだ。
ただし、席に着いても、注文したドリンクは出てくるものの、まったくのノケ者で「石ころのように黙殺されたかたち」になり、「男性中心主義のシステムの中で、日頃ノサばっりかえっているよの横ッつらに、みごと報復の一撃をくらわされた感じ」になるとのこと。
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記事の最後に、21歳のBG(ビジネス・ガール、後のOLと同義)と同棲して「事実上の結婚生活を楽しんでいる」33歳の「未婚」女性が出てくる。
記者が男性の相手がいるかいないかという意味で「彼女を未婚と呼ぶ」ことに「むしろそらぞらしい気がする」と言っているのが、おもしろい。

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