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ゲイ・ボーイの海外進出―1960年代の性風俗記事から(1)― [性社会史研究(性別越境・同性愛)]

5月28日(水)
『実話と手記』昭和41年(1966)12月号(2巻14号)に掲載された良川新介「外人にモテ 日本のゲイ・ボーイ」という記事。
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内見出しに「ワンダフルね ニッポンのかわいい坊やたち」とあるように、日本人ゲイ・ボーイが外国人に人気で、ニューヨークやパリからスカウトが来ているという話。
たとえば、ニューヨーク五番街の有名なゲイバー「シャングリラ」に日本人が5人いるとか、新宿のゲイバー「S」のおけい(23歳)が月に1000ドル(1ドル=360円)のギャラでパリに誘われたとか。

事情通として、新宿のゲイバー「D」の坪井よしお氏(新宿2丁目「ぼんち」の店主)が登場して、「この世界では、かなり外国とも交流があり、今ごろスカウトがきたからといって、決して珍しい話ではありません。しかし、それだけ日本の青年が見直され、好待遇を受けるのならいいことじゃないですか」
と語っている。

また話者は不明だが、「戦後の日本のゲイ界は、アメリカ進駐軍の将兵によって形づくられたようなもので、初期のゲイ・ボーイのほとんどが、進駐軍のハウス・ボーイの体験者であった」と、戦後のゲイ世界の原点が記されている。
私の世代には「常識」だが、現代では知らない人も多いと思うので、引用しておく。

ちなみに、1960年代中頃の時期は、ゲイ・ボーイの外貌がそれまで主流だった美青年タイプから、次第に女装・女性化タイプが台頭していく時期で、記事に添えられた写真には、両方のタイプが見える。
この時代の女装・女性化タイプのゲイ・ボーイの先頭を切っていたのが、若き日のカルーセル麻紀さんである。
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↑ 美青年タイプのゲイ・ボーイ
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↑ 女装・女性化タイプのゲイ・ボーイ
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