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あれから3年、東京の空間放射線量 [事件・事故]

3月15日(土)
東京に住んでいる人の過半数はもうすっかり忘れていると思うが、3年前の今日、2011年3月15日、東京(新宿百人町)の空間放射線量は0.809マイクロシーベルト/時(μSv/h)を記録した。
事故の前日の3月14日の値は0.0377μSv/hだったので、一気に22.5倍になる異常に高い数値だ。
何が起きたのか? 
福島第一原発から15日0時頃に放出され始めた(放出源は2号機)大量の放射性物質をともなう気体(放射性プルーム)が東京上空に到達したのだ。
もしこの時、雨や雪が降っていたら、放射性物質が地上に降下し、東京は深刻な放射能汚染に見舞われただろう。
そうならなかったのは、たまたま雨が降ってなかっただけで、ラッキーだったと言うほかない。

しかし、幸運はそう長くは続かなかった。
17~20日まで0.05μSv/hと平常値よりやや高いレベルに戻った空間放射線量は21日0.147μSv/h、22日0.166μSv/hと平常時の4倍以上に上昇する。
福島第一原発からその後も放出されていた放射性プルームが再び東京上空に到達した。
しかも、この日の雨で、かなりの量の放射性物質が東京に降下した。
東京への放射性物質の降下は21~23日に集中している。
  (単位はBq/m2)   ヨウ素131 セシウム134 セシウム137 天気
2011/03/20 9:00 - 21 9:00   2900 550 560    雨
2011/03/21 9:00 - 22 9:00  32000 5300 5300   雨
2011/03/22 9:00 - 23 9:00  36000 330 330   雨
2011/03/23 9:00 - 24 9:00  13000 130 160  雨
福島県に比べれば少ないが、相当な規模の放射能汚染だった。
放射性物質が地上に降下して、そこで放射線を出すので、今度は簡単には放射線量が下がらない。
東京の放射線量が0.1μSv/hのラインより下がったのは、4月2日のことだった。
放射性物質のまとまった量の降下は2011年5月14日に観測されたのが最後で、以後はND(不検出)が続いている。

以後、東京の空間放射線量はじわじわと下がり、原発事故から3年後の今日2014年3月15日17時の空間放射線量は0.0336μSv/hだった。
ち東京(新宿)の測定は2013年7月23日までは地上18m、25日からはその地上22mで行われている。
測定箇所が高くなった影響は-0.01μSv/hほどと考えられるので、地上22mでの0.0336μSv/hを地上18mに換算すると0.0436μSv/hということになり、3年かかってほぼ事故前の水準(0.0377μSv/h)に戻ったことになる。

さらに、地上22mでの0.0336μSv/hを地上1mに換算すると約0.07μSv/hになる。
実際、地上1mで測定している江戸川区篠崎公園の3月14日の値は0.0739μSv/hである。

ちなみに世界の主な都市の空間放射線量は、以下の通り。
ニューヨーク 0.11μSv/h
ロンドン    0.085μSv/h(3月3日)
パリ      0.057μSv/h(2月27日)
ソウル     0.108μSv/h(3月3日)
北京      0.09μSv/h
東京      0.0336μSv/h(3月15日)→地上1m換算0.07μSv/h

測定条件がまちまちなので、単純な比較はできないが、世界の主要都市の中では東京の放射線量は高くない。

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