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2月15日(土)バンコクの夜(ゴーゴーバーめぐり)-「WPATH 2014 Symposium in Bangkok」参加記(2日目の4) [現代の性(WPATH 2014)]

2月15日(土)
(続き)
21時、東さん、友人のフィンランド人男性、メキシコ人男性、りりぃさん/佐々木掌子さん、あきこさん、私の7人で、タクシー2台に分乗して、夜のバンコク探訪に出掛ける。
まず、NaNa-Plazaへ(140B)。
私のカメラは電池切れなので、写真は佐々木掌子さんに撮ってもらった。
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Nana-Plazaの入口。
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↑ 広場には仮設の飲み屋が並ぶ(17日撮影)。
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屯っている人は、圧倒的に外国人観光客、とくに白人系の人が多い。
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ケバブ屋台の向こう側で髪をいじっている赤いドレスのきれいなお姐さんは、まず間違いなくLadyBoy(順子判定確率98%)。(17日撮影)
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遠景に写っている赤いドレスの人は微妙。背の高さとスタイルの良さはLadyBoyっぽいけど(右側のタイ人女性と比較)、腰骨の幅は女性っぽい(順子判定確率70%)。
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この「娘」は、まだ女性ホルモン投与を始めて間もないLadyBoyと思われる。
どうやったら見分けられるか、ときどき聞かれるけど、夜のバンコクの盛り場でスタイルの良いきれいなお姐さんがいたら8割方LadyBoyだと思った方がいい。

1軒目のゴーゴーBarに入る。
お客さんの入りが少ないせいか、あまり活気がない店で、舞台では6~7人のダンサーが気だるい雰囲気で身体を揺らしている。
女性は全部で15~20人くらいだろうか、LadyBoyと純女(生得的な女性)が混在している店のようだ。
小顔でスレンダー(←私好み)なかわいらしい感じで超短いフレアースカートを履いている「娘」が目にとまる。
隣の席の掌子さんに「あの娘、たぶんLadyBoyだよ」と言うと、「えっ! どうしてわかるのですか?」と尋ねられる。
肩幅と腰骨の幅の比率がいちばんのチェック・ポイント。
股間の膨らみ、喉仏、身体の丸みなどはいくらでも加工可能なので、判別ポイントとしてはあまり当てにならない。
加工不能な骨格の男女差が現れる部分を見る。
まあ、早い時期(15歳以下)から女性ホルモン投与をしていると、骨末端形成が不十分になり肩幅は女性的になるが、それでも腰骨(骨盤の形)が女性化するわけではないので、しっかり観察すれば、だいたいの見分けはつく(私の場合、判別キャリア20年だけど)。
「彼女」たちも必ずしも隠そうとしているわけでもなく、顎を上げて喉を指さして「ほら、喉仏あるでしょう」みたいなジェスチャーをする「娘」もいる(でも、喉仏、あまり目立たない「娘」が多い)。
ちなみに、この店の女性の連れ出し料金は2時間2000B(約6000円)とのこと。
ビールは1本(ハイネケン小瓶)190Bでまあ良心的。

すぐ近くの2軒目の店へ。
ここは女の子もお客さんも多く活気がある。
女の子は全員LadyBoy、ぜんぶで30人近くいるだろうか。
みんなLadyBoyなので判別のトレーニングにはならないが、やはり観察しているとおもしろい。
豊胸は女性ホルモンだけの「娘」と手術で盛っている「娘」が混じっているが、「隆鼻」をしている「娘」が多い。
タイ人本来の鼻を考えると、7割くらいは手術している感じがする。
商業系のトランスジェンダーの場合、上から下へ(顔→胸→股間の順)手術するというのが私の「理論」なので、それに適合するように思う。
(それに対して、日本の性同一性障害の人は、下=股間から手術する)
舞台の上なのに、髪や化粧を気にしている「娘」が目立つのも、トランス娘らしい。
表情が魅力的で自己アピールができる「娘」がいる一方で、表情が暗く硬い「娘」もいる。
「あれだと、指名がとれないだろうな」と、私としては後者の「娘」が気になってしまう(完全に「ママ」視線)。
ファッションはビキニの水着姿の「娘」が多いのだが、中に携帯電話(スマホ)をお尻に入れている「娘」がいる。
せっかくのヒップラインが台無し。
「チーママ、あれ、止めさせなさい」と言いたくなる。
フロアーで店を仕切っているお姐さん(たぶん、ダンサーから出世した人)に、手を振られたりやたらと注目される。
このままだと、それなりの対応(指名連発とか、チップ大盤振る舞いとか)しないといけなくなるので、適当なタイミングで退散。
まあ、30人のダンサーに100Bずつ「総花」付けても3000B(9000円)なんだけど、科研費で交通費出してもらっている立場上、それはちとまずいので。
この店の料金は、ドリンク300B、指名700B、連れ出し1時間2000B、2時間2500B。
2時間で比較すると、1軒目より500B高いが、店の「格」の差なのだろう。

もう1軒、ゲイ・ゴーゴーBarへ行くことになり、タクシーに分乗(160B)してスリウォン通りへ。
「ゲイ・ストリートの入口のアーケードの下で」と待ち合せたのに、いくら待っても東さんの部隊が来ない。
こんなに目立つアーケードって、他にはないのに・・・。
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↑ 路地の入口左側にファミリーマート。向かい側にセブンイレブン。
おまけに同じタクシーを降りた掌子さんまで行方不明。
やっと電話連絡がついたものの、あちらの居場所がどうも要領を得ない。
あきこさんと2人で30分近く探し回り、やっと発見。
ハッポン通りのまったく逆側にいた。
やっと、ゲイ・ストリートの入口に案内して、まずゲートを撮影。
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ストリートに入ってじっくり店を選ぼうと思ったら・・・、ああ、もう引き込まれている。
こういう場所って、ガッついてる風を見せたら駄目なんだけどなぁ。
店内に入って階段状の席に座って、すぐにペニスを立てた全裸の男の子が最前列の席に飛び込んでくる。
そのパターン、わかっているので、掌子さんと私は最後列に。
舞台上では、ビキニ・パンツ1つの男の子が10数人。
いわゆる「細マッチョ系」がほとんど、年齢は18~23、4歳といったところか。
そのうち立派なペニスを立てた男の子が登場して、同僚の男の子に後背立位で挿入。
私の見立てでは、挿入側の男の子のペニスの長さは18cmほど、タイ人としてはかなりの巨砲。
それを実に簡単に受け入れてしまうのだから、たぶん毎晩何回も挿入されていて、すっかり緩んでいるのだろう。
ちなみに、挿入される側の男の子のペニスはかなり小さ目。
こうした観察がやけに細かく冷静なのは、私が男の子にまったく性的関心がないから。
まあ、自分の好みのセクシュアリティの店だけ行って、先に帰るのも失礼なのと、場所の案内役で同行したが・・・、完全にシラケてしまう。
店のスタッフが「あの子は日本人だけど、指名しないか」と言う。
どうして日本人の青年がバンコクまで流れて来て、ゴーゴーBarで身体を張っているか、興味がなくはないが、いくら商売とはいえ、それを根掘り葉掘り聞くのは失礼だろうと思い止めた。
こういう客がいると店が困るのはよくわかっているので、前の席で男の子を指名したのを潮に「お先に失礼します」と挨拶して店を出る。
ちなみに、この店のシステムは、指名500B、キス1500B、連れ出し3時間1500B、オールナイト2500B。
つまり、ショートで客と相手をする場合、LadyBoyだと2時間2500B、男だと3時間1500B。
価格の単純比較だと5:3だが、時給比較では1250:500=5:2。
男がオールナイトで頑張ってもLadyBoyのショートと同価格。
売れっ子のLadyBoyなら1晩で2回転、3回転も可能だから、収入は2~3倍になる。
現代のタイやフィリピン、あるいは昭和戦前期の日本のような社会では、Sexworkの場合、男の子での稼ぎと「女」になっての稼ぎとでは、かなり稼ぎが違ってしまう。
したがって、社会的・経済的理由で、(男のままの)ゲイは少なくなり、(女になる)トランスが増える。
ゲイになるか、トランス(MtF)になるかということは、ある程度は、先天的な要素で決まっていると思うが、同時に環境的・社会的、さらには経済的な要素で変わってくる、と考えるべきだと思う。
同じことは、レズビアンになるか、トランス(FtM)になるか、についても言えて、社会圧のようなものを軽視すべきではないと思う。

せっかく来たのだから、ゲイ・ストリートを奥まで探検。
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↑ 店の前に客待ちの男の子が座っている。
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↑ ちょっと古風な言い方をすれば、東南アジア最大の男娼窟。
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↑ 「Dream Boy(夢幻男孩)」という店。
「男孩」は中国語で「男の子」の意味。
漢字表記が簡体字ということは、人民中国からのお客を想定しているということ。
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こちらは中国語(簡体字)、韓国語(ハングル)、日本語(片仮名)で「男の子」と書いてある店。
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↑ 初心そうな子は、呼び込みの兄ちゃんに抱きつかれて、路上でいじられる。
私に触ってくるような度胸がある呼び込みはまずいない。
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↑ 路地の奥にある「CLASSIC BOYS CLUB 曼谷経典男孩倶楽部」の入口。
2005年7月に「第1回 アジア クィア・スタディーズ国際学会」で初めてバンコクを訪れたときに、ナイトツアーで連れていかれた店。
あれから9年経ったが健在。
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看板を見るとサッカーの中継でもしてるように見えるが、実態は白の半袖シャツ+短パン(中学生の体育ファッション)の男の子がたくさんいる店。

お腹が空いた。
考えたら、今日はちゃんと夕食を食べていない。
もう0時を過ぎていて、選択肢は少ない。
ハッポン通りに「横浜系ラーメン・内田屋」という看板が出ていたので入る。
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店員がタイ人の女性というだけで、メニューもみかけも味もまったく日本と同じ。
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温玉ラーメン230Bというのも、日本円に直すと700円で価格的にも同じ。
ただし、230Bのヌードルを食べるタイ人はめったにいない。
なので、客は日本人ばかり。

掌子さん、あきこさん、私の3人でタクシーに乗る。
バンコクのタクシー運転手は「深夜はメーターは使わない決まり」「繁華街から乗るときはメーターは使わない」と必ず言う(嘘)
行先を告げて「100B」と言うと、運転手が「200B」と言う。
私が「150B」と言うと、たちまちOKして、うれしそうに車を出した。
50B(150円)値切るより、気分良く運転してもらった方が身の安全ということ。

2時5分過ぎ、Ramada Menam Riverside Hotelに帰還。
着物を脱いで、化粧を落として髪を崩し、今夜も倒れるようにベッドへ。
就寝2時半。



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コメント 2

Gen

あれ?ゲイストリートの看板、すごく見覚えあるんだけどなぜ??
と思っていたら、英字新聞で読んだ記事に載ってたからでした・・・。
記事の内容はタイが国をあげてツーリズムに力を入れていて、それが成功している現状について分析したものでした。
周辺国だと宗教上の制約で人々がそれほど寛容でないとか。
ゲイバーについてはさらっと触れた程度でしたが、看板が面白かった。
ドリームボーイって・・・・・。
レポート楽しく読ませていただきました♪

ゲイバーかぁ。
この身体ではつまらないから一生行けないなぁ・・・・。

by Gen (2014-02-26 00:38) 

三橋順子

Genさん、いらっしゃいま~せ。
ゲイ・ツーリズムという点では、タイの現状は、たしかに大繁盛だと思います。
欧米の白人系ゲイだけでなく、中国や韓国のゲイもたくさん来ている様子がうかがえます。
実質的なゲイ売春が産業になっているのはタイ社会の現実であり、それが彼らの生活を支えていることを考えると、単純に「社会悪」とは決めつけられません。
ただし、買われる男の子が未成年の場合は人権上の問題があります。
店では「みんな18歳以上、大人ですよ」みたいなことを言いますが、果たして実態はどうなのか・・・?
タイが少年愛好のゲイにとっての「パラダイス」だという噂は根強くありますので。

>この身体ではつまらないから一生いけないなぁ・・・・。
私もまったくつまらなかったです。
by 三橋順子 (2014-02-26 04:37) 

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