プラモデル「ひゅうが」の箱絵 [軍事]
8月3日(土)
今週発売の『週刊文春』(8月8日号)のグラビア頁に「プラモのイラストで日中緊迫か!?」という記事があり、海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦(DDH)「ひゅうが」のプラモデルの箱絵が掲載されていた。
帰宅後、カラーだとどんな感じなのかな?と思い、画像を探してみたら、見つかった。
製品名は「ひゅうが 離島防衛作戦(OPERATION OF SENKAKU)」、発売元は「青島文化教材社」。
発売日は5月10日、私が知らなかっただけで、マニアの間では発売直後から話題になっていたらしい。
左奥に見えているのは尖閣諸島の魚釣島によく似た島影で、なぜか煙が2本上がっている。
右手には、航空母艦が黒煙を上げて大きく傾斜して沈没間近。
いったい何が起こったのだろう。事故だろうか?
ちなみに、沈みゆく空母の艦首は反りかえっていて、中国海軍の航空母艦「遼寧」に似ているように見えるが、たぶん気のせいだろう。
航空母艦が発したSOSを受診した「ひゅうが」が東シナ海の荒波を越えて救援のため現場に到着。
「ひゅうが」の甲板中央には攻撃ヘリ「アパッチ」(AH-64) が、後部甲板には同じく「コブラ」(AH-1)が着艦。
状況を観測するため、偵察ヘリ「ニンジャ」(OH‐1)が発進。
前部甲板からは、沈没する空母の乗務員を救援すべく、垂直離着陸機「オスプレイ」(V-22)が次々に発艦していく。
また前部甲板には、水陸両用強襲車「アムトラック」(AAV‐7)がスタンバイしている。
ちなみに「ひゅうが」は、離島防衛作戦で陸海空統合部隊の洋上司令部になることが決まっている。
しかし、自衛隊は(まだ)「オスプレイ」も「アムトラック」も所有していないし、「ひゅうが」にはAAVを降ろす設備も(まだ着いて)ない。
「ひゅうが」の高速エレベーターや格納庫は、(偶然にも)「オスプレイ」の巨体がきっちり収まる大きさになっているが・・・。
つまり、この箱絵は、(今のところ)まったくの絵空事(ファンタジー)なのだ。
(注)箱絵の解釈に一部、誤りがあると思う方もいらっしゃると思いますが、突っ込まないようお願いします。
【追記】
Mixiでリンクしている知人が引用してくださったので、まじめに書くことにする。
この箱絵を「絵空事」でなくするいちばん手っ取り早い方法は、「集団自衛権」の行使、つまり陸海空自衛隊とアメリカ軍との全面的な共同作戦を可能にすることだ。
その上で、「オスプレイ」と「アムトラック」を、アメリカ軍に供給してもらい、「ひゅうが」に水陸両用強襲車を降ろす装置(大型のクレーンのような装置)を付ければ、「箱絵」は現実化できる。
もちろん、「ひゅうが」のエレベーターや格納庫が「オスプレイ」使用可能の仕様になっているのは、「偶然」ではなく、アメリカ軍との共同作戦を想定してのこと。
おそらく「集団自衛権」の行使が可能になった時点で、「ひゅうが」に大型クレーンが装備されると思う。
離島奪回作戦を実施する場合、空挺部隊による空からの兵員投入だけでは、不安定でリスクも多い。
先遣部隊が空から入って橋頭堡を作り、次いで艦隊の援護を受けながら、主力部隊を海上から揚陸するのが安定的でリスクも少ない。
AAV‐7の運用は離島奪回作戦では不可欠だ。
自衛隊は4両の導入を決めているが、4隻×25名=100人では上陸部隊として少なすぎる。
バックアップを考えれば、8ないし12両欲しいところ。
足りない分は、アメリカ軍から(兵員ごと)「借りる」形になるのではないだろうか。
それから、敵航空母艦への攻撃としては、空から(F2攻撃機の対艦誘導ミサイルASM-2)、海上から(イージス艦からの艦対艦ミサイルSSM-1B)、海中から(潜水艦からの魚雷攻撃)の3方法が考えられる。
海上自衛隊が行うとすれば、潜水艦の待ち伏せによる魚雷攻撃だろう。
なぜなら海上自衛隊は世界一の静粛性を誇る潜水艦隊と世界トップレベルの対潜哨戒能力を持っている。
それに対して航空母艦を擁する国は対潜哨戒能力で大きく劣る。
彼我の差がもっとも大きいところで戦うのは戦争の「常識」だからだ。
安倍内閣は、2日、憲法解釈に大きな権限をもつ内閣法制局長官に、集団自衛権容認派の小松一郎駐フランス大使を充てる人事を内定した。
8日の閣議で正式に決定する。
行政府内における法令の審査や法制 に関する調査を所掌する内閣法制局の長官は、歴代、内部昇格の順送り人事で、外部からの「抜擢」はきわめて異例。
順送り人事というと官僚的で悪しき人事慣行のように思われがちだが、内閣法制局の場合は、それによって内閣が代わっても憲法解釈の一貫性・継続性が保たれてきた。
法制局の経験がない外部の人を長官に起用するのは、憲法解釈の継続性を否定して、従来の解釈を大きく変更するために他ならない。
この人事によって、今秋の通常国会で、内閣法制局が集団的自衛権の行使は憲法違反ではないという形で、従来の憲法解釈を変えるのはほぼ確実となった。
つまり、この秋にも、この「箱絵」は現実化する方向になる。
このことは、一部の新聞では報道された(『朝日新聞』8月2日夕刊1面トップ)が、メディアの関心がその直前に起こった麻生副総理の「ナチスに学べ!」発言に集中したため、ほとんど問題にされなかった。
麻生ローゼン閣下のまことに見事な陽動作戦だった。
今週発売の『週刊文春』(8月8日号)のグラビア頁に「プラモのイラストで日中緊迫か!?」という記事があり、海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦(DDH)「ひゅうが」のプラモデルの箱絵が掲載されていた。
帰宅後、カラーだとどんな感じなのかな?と思い、画像を探してみたら、見つかった。
製品名は「ひゅうが 離島防衛作戦(OPERATION OF SENKAKU)」、発売元は「青島文化教材社」。
発売日は5月10日、私が知らなかっただけで、マニアの間では発売直後から話題になっていたらしい。
左奥に見えているのは尖閣諸島の魚釣島によく似た島影で、なぜか煙が2本上がっている。
右手には、航空母艦が黒煙を上げて大きく傾斜して沈没間近。
いったい何が起こったのだろう。事故だろうか?
ちなみに、沈みゆく空母の艦首は反りかえっていて、中国海軍の航空母艦「遼寧」に似ているように見えるが、たぶん気のせいだろう。
航空母艦が発したSOSを受診した「ひゅうが」が東シナ海の荒波を越えて救援のため現場に到着。
「ひゅうが」の甲板中央には攻撃ヘリ「アパッチ」(AH-64) が、後部甲板には同じく「コブラ」(AH-1)が着艦。
状況を観測するため、偵察ヘリ「ニンジャ」(OH‐1)が発進。
前部甲板からは、沈没する空母の乗務員を救援すべく、垂直離着陸機「オスプレイ」(V-22)が次々に発艦していく。
また前部甲板には、水陸両用強襲車「アムトラック」(AAV‐7)がスタンバイしている。
ちなみに「ひゅうが」は、離島防衛作戦で陸海空統合部隊の洋上司令部になることが決まっている。
しかし、自衛隊は(まだ)「オスプレイ」も「アムトラック」も所有していないし、「ひゅうが」にはAAVを降ろす設備も(まだ着いて)ない。
「ひゅうが」の高速エレベーターや格納庫は、(偶然にも)「オスプレイ」の巨体がきっちり収まる大きさになっているが・・・。
つまり、この箱絵は、(今のところ)まったくの絵空事(ファンタジー)なのだ。
(注)箱絵の解釈に一部、誤りがあると思う方もいらっしゃると思いますが、突っ込まないようお願いします。
【追記】
Mixiでリンクしている知人が引用してくださったので、まじめに書くことにする。
この箱絵を「絵空事」でなくするいちばん手っ取り早い方法は、「集団自衛権」の行使、つまり陸海空自衛隊とアメリカ軍との全面的な共同作戦を可能にすることだ。
その上で、「オスプレイ」と「アムトラック」を、アメリカ軍に供給してもらい、「ひゅうが」に水陸両用強襲車を降ろす装置(大型のクレーンのような装置)を付ければ、「箱絵」は現実化できる。
もちろん、「ひゅうが」のエレベーターや格納庫が「オスプレイ」使用可能の仕様になっているのは、「偶然」ではなく、アメリカ軍との共同作戦を想定してのこと。
おそらく「集団自衛権」の行使が可能になった時点で、「ひゅうが」に大型クレーンが装備されると思う。
離島奪回作戦を実施する場合、空挺部隊による空からの兵員投入だけでは、不安定でリスクも多い。
先遣部隊が空から入って橋頭堡を作り、次いで艦隊の援護を受けながら、主力部隊を海上から揚陸するのが安定的でリスクも少ない。
AAV‐7の運用は離島奪回作戦では不可欠だ。
自衛隊は4両の導入を決めているが、4隻×25名=100人では上陸部隊として少なすぎる。
バックアップを考えれば、8ないし12両欲しいところ。
足りない分は、アメリカ軍から(兵員ごと)「借りる」形になるのではないだろうか。
それから、敵航空母艦への攻撃としては、空から(F2攻撃機の対艦誘導ミサイルASM-2)、海上から(イージス艦からの艦対艦ミサイルSSM-1B)、海中から(潜水艦からの魚雷攻撃)の3方法が考えられる。
海上自衛隊が行うとすれば、潜水艦の待ち伏せによる魚雷攻撃だろう。
なぜなら海上自衛隊は世界一の静粛性を誇る潜水艦隊と世界トップレベルの対潜哨戒能力を持っている。
それに対して航空母艦を擁する国は対潜哨戒能力で大きく劣る。
彼我の差がもっとも大きいところで戦うのは戦争の「常識」だからだ。
安倍内閣は、2日、憲法解釈に大きな権限をもつ内閣法制局長官に、集団自衛権容認派の小松一郎駐フランス大使を充てる人事を内定した。
8日の閣議で正式に決定する。
行政府内における法令の審査や法制 に関する調査を所掌する内閣法制局の長官は、歴代、内部昇格の順送り人事で、外部からの「抜擢」はきわめて異例。
順送り人事というと官僚的で悪しき人事慣行のように思われがちだが、内閣法制局の場合は、それによって内閣が代わっても憲法解釈の一貫性・継続性が保たれてきた。
法制局の経験がない外部の人を長官に起用するのは、憲法解釈の継続性を否定して、従来の解釈を大きく変更するために他ならない。
この人事によって、今秋の通常国会で、内閣法制局が集団的自衛権の行使は憲法違反ではないという形で、従来の憲法解釈を変えるのはほぼ確実となった。
つまり、この秋にも、この「箱絵」は現実化する方向になる。
このことは、一部の新聞では報道された(『朝日新聞』8月2日夕刊1面トップ)が、メディアの関心がその直前に起こった麻生副総理の「ナチスに学べ!」発言に集中したため、ほとんど問題にされなかった。
麻生ローゼン閣下のまことに見事な陽動作戦だった。
2013-08-03 21:32
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中国は日本と戦争がしたくて、どうしようもないようです。韓国は日本に対する嫉妬のあまり、発狂状態です。アジアを不安に陥れているこの2カ国に対して、日本として自衛の盾を準備しなければなりません。
これら2国から発信される情報を、ウォッチしているとわかります。ご参考までにご覧になられたらいかがですか? http://news.searchina.ne.jp/world_blog/
by 般若坊 (2013-08-04 21:41)
般若坊さん、いらっしゃいま~せ。
中国は挑発はしても本気の戦闘はしたくないでしょう。
今、戦争したら確実に負けますから。
それこそ「箱絵」の現実化です。
むしろ、韓国の方が、冷静でない分、何を仕掛けてくるかわかりません。
歴史を参照すれば、対馬侵攻がいちばん可能性がありますね。
私は基本的に反米主義者なのでは、「アメリカの犬」になる集団自衛権容認には反対なのです。
可能な限り、独自に海と空の戦力を充実させるべきだと思います。
by 三橋順子 (2013-08-05 02:44)