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東京、平年より15日も早い梅雨明け [天文・気象・生物]

7月6日(土)
気象庁が、今日6日、東京・関東甲信地方の「梅雨明け」を宣言した。
平年より15日も早く、1951年の統計開始以後、観測史上4番目に早い梅雨明けとなった。
(最も早かったのは2001年の7月1日)
今年は気候の偏り(ブレ)が大きいので、直感的には、長く暑い夏になりそうな気がする。

ところで、日本は四周を海に囲まれているので、その気候は太平洋の海水面温度の影響を受けやすい。
温帯の海水面気温は季節によって大きく変動するのは誰でも知っていることだが、一年中暑いはずの赤道域の太平洋の海水面温度も、数か月~数10ヵ月の持続期間でかなり変動する地球規模の自然現象が知られている。
太平洋赤道域東部(エクアドル・ペルー西方沖)の海水温が上昇する現象を「エルニーニョ」、その逆に太平洋赤道域東部の海水温が低下し、相対的に西部(フィリピン東方沖沖・インドネシア北方沖)の海水温が相対的に上昇する現象を「ラニーニャ」という。

このエルニーニョ現象とラーニャ現象が、日本の気候の大きな影響をあたえていることが観測データからわかっている。
一般的に言って、エルニーニョが起こっている年は、日本の南方海上の対流現象が不活発化し冷夏になる。ラーニャが起こっている年は逆に対流現象が活発化し猛暑になる。

下は東京の8月の平均気温の上位10傑、つまり東京の「暑い夏」である。

2010年 29.6度 ラニーニャ(2010年夏~2011年秋)
1995年 29.4度 ラニーニャ(1994年夏~1996年冬)
2012年 29.1度 
2007年 29.0度 ラニーニャ(2007年夏~2008年春)
1994年 28.9度 平常
1978年 28.9度 平常
1990年 28.6度 平常
1984年 28.6度 ラニーニャ(1984年夏~1985年秋)
1999年 28.5度 ラニーニャ(1998年夏~2000年春)
1973年 28.5度 ラニーニャ(1973年夏~1974年春)

これをみると、「暑い夏」10傑のうち、6回がラーニャ現象と一致していることがわかり、やはり、ラーニャ=猛暑というパターンになる確率が高い。

気象庁の6月発表によると、現状(5月実況)はラーニャもエルニーニョも起こっていない「平常」状態。
ただし、東部太平洋赤道域の海面水温は平年よりやや低い状態で、今後、ラーニャ現象が起こる可能性は捨てきれない。
ラーニャ現象が起これば、ほぼ間違いなく猛暑になるだろう。
次の発表は7月10日頃なので、注目したい。

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