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ニホンオオカミ探して40年 「きっといる」奥秩父歩く [天文・気象・生物]

1月14日(月・祝)

先日、絶滅認定されたニホンカワウソについての記事を紹介した。
その最後に、私の絶滅動物への興味のきっかけが、故郷秩父のニホンオオカミ生存伝承にあることを述べた。
(参照)1月10日(木)「ニホンカワウソ、生き延びていたらいいけど・・・」
http://junko-mitsuhashi.blog.so-net.ne.jp/2013-01-10-3
そうしたら3日後、『朝日新聞』に奥秩父でニホンオオカミを探している人のことが載った。

ニホンオオカミは、体長95~114cm、尾長30前後cm、体重15kgの食肉目イヌ科イヌ属の哺乳類。
中型日本犬ほどの大きさだが、脚は長く脚力も強い。
尾は下向きで先が丸まっている。
耳は短い。
夏と冬で毛色が変化したという。

確実な最後の捕獲例は、1905年(明治38)1月23日に奈良県東吉野村鷲家口で捕獲された若いオス(標本が現存)。
また、1910年(明治43)8月に福井城址にあった農業試験場(松平試農場。松平康荘参照)で撲殺されたイヌ科の動物がニホンオオカミであるとする論文が2003年に発表されているが、未確定(標本現存せず)。
さらに、1910年3月20日発行の狩猟雑誌『猟友』に1910年に群馬県高崎市でオオカミが撃たれた可能性がある記事が掲載されている(未確定)。
いずれにしても、20世紀初頭(1910年頃)以降は確実な生存情報はなく、環境省のレッドリストでは「絶滅種」(過去50年間生存の確認がなされない場合)と認定されている。

一般に肉食性の動物は、草食性の動物に比べて、食べ物を確保するために広い地域が必要になる。
肉食性のニホンオオカミも広いテリトリーを必要とする。
秩父の山は深い。谷が深く長く、したがって尾根も険しく遠い。
人が容易に入れない山域がずいぶんある。
まして、近年は山村の過疎化で山に入る人が減っている。
そうした状況をよく知っている上でも、継続的な繁殖に十分な数のニホンオオカミが100年間、ほとんど人目に触れずに生き延びるのは不可能だと思う。
生き延びていて欲しいとは思うが、やはり「幻」だと思う。
秩父の人にとってオオカミは「大神」であり、三峰神社の神のお使いである。
生物としては滅びても、せめて地元の人の心にはいつまでも生き続けて欲しい。
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会いたいニホンオオカミに 埼玉の男性「幻」追い40年
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ニホンオオカミを追い続ける八木博さん=埼玉県秩父市
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八木博さんが1996年10月14日に撮影した動物。「秩父野犬」と名付けられ、ニホンオオカミ生存の可能性が議論になった=埼玉県飯能市(旧名栗村)
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和歌山大が所蔵するニホンオオカミの剥製(はくせい)
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奥秩父の地図

せいかんな顔つき、先が丸まった尾。絶滅したとされるニホンオオカミを探し求めて山を歩き続ける人がいる。最後に確認されてから100年以上。かつて守り神とあがめられながら、近代化で消えていった姿が、今も多くの人を引きつける。
「大型動物の息づかいを感じ、草木を踏みしめる足音が聞こえた」。昨年12月中旬、埼玉県上尾市の八木博さん(63)のもとに知り合いから連絡が入った。ニホンオオカミを探し続けて40年。埼玉と東京にまたがる奥秩父に向かう八木さんに同行した。
ヒノキやスギが生い茂る雪道を歩く。鳥獣の鳴き声や物音がすると足を止め、耳を澄ます。「これはテンのフンですね」「あれはシカの足跡」。雪の上には様々な動物の痕跡があった。
山道脇の木に取り付けられているのは赤外線カメラ。動きに反応して自動で録画が始まる。15年かけて周辺の山に20台を設置した。これまでカモシカやキツネ、クマが前を通ったが、ニホンオオカミらしき動物は映ったことがない。
新潟県出身で、19歳のころ、苗場山のブナ林で遠ぼえを聞いた。「ウォーと、澄み渡るような長い声。犬とは思えなかった。声の主に会いたいと思った」。その後、奥秩父を登山すると、多くの神社がオオカミを祀(まつ)り、登山者の目撃証言や文献、毛皮が多く残されていた。探し求めている相手がいるのはここだと思った。
寝袋メーカーや電力会社の検針員、水道会社など職を変えながら、月に1回は奥秩父に足を運ぶ。
1996年10月、捜索帰りに林道脇から一匹の動物が姿を現した。体長約1メートル。せいかんな顔にツヤのある毛並み。写真に収めた。動物分類学者が「ニホンオオカミの生き残りの可能性がある」と指摘し、メディアをにぎわせた。
2010年に関心を持つ仲間とNPO法人「ニホンオオカミを探す会」を立ち上げた。「遠ぼえを聞いた」「似た動物を見た」といった連絡が毎年10件前後ある。「『もしかして』『かもしれない』。そんな話ばかりだけど、無視したら絶対に見つからない」
「捜索を通して感じるのは、人間の罪深さです」と八木さんは言う。利便性の追求が生態系を破壊する。昨年はニホンカワウソが絶滅種に指定された。
昨年末の奥秩父。夜に及んだ捜索の最後、96年に動物を見かけた場所に寄った。冷気が肌を刺す。5分ほど周辺を歩いた。タヌキが一匹、目の前を通り過ぎただけだった。

■目撃情報、今も各地で
ニホンオオカミの目撃情報は九州や紀伊山地などでもある。2000年7月、北九州市の高校長が宮崎と大分の県境でよく似た動物を見つけ、写真に収めた。
ニホンオオカミを扱った書籍や映画が人気を集め、オオカミを神の使いとする奥秩父の三峰神社は「パワースポット」として多くの人が訪れる。
ニホンオオカミは明治以降の開発や乱獲、伝染病で絶滅したとされる。東京農工大の丸山直樹名誉教授(69)は「文明開化の犠牲になった」。農地を荒らすシカやイノシシを襲うため、かつては守り神とあがめられた。しかし、明治政府は家畜を襲う害獣とみなして駆除していったという。
オオカミに詳しい小原巌・元国立科学博物館科学教育室長(72)は「100年もの間、確かな死骸を残していないのは不自然」と生存には否定的だが、「孤独そうなせいかんな顔立ちと、守り神だった動物が消えてしまった謎めいた部分が人をひきつける」とみる。
     ◇
〈ニホンオオカミ〉 ユーラシア大陸などに分布するタイリクオオカミの亜種とする説と、日本固有の種とする説がある。体長1メートル、尾の長さは30センチ程度。明治期まで本州、四国、九州に広く生息していたが、1905年の奈良県東吉野村を最後に公式の捕獲例はない。見た目で野犬と区別するのは難しく、標本が少ないためにDNA型鑑定での判別も困難。特徴がある頭骨の形で判断するしかないとされる。環境省のレッドリストで絶滅種に指定されている。 【矢島大輔】

『朝日新聞』2013年01月13日
http://digital.asahi.com/articles/TKY201301120225.html?ref=comkiji_txt_end_kjid_TKY201301120225

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原 浩一郎

母方が秩父方面出身なので、ルーツ辿りながらオオカミ探しの方にもお会いできたら最高ですね。叔母によると猪俣党の地侍だったというのですが。
by 原 浩一郎 (2019-09-24 06:48) 

三橋順子

原浩一郎さん、いらっしゃいま~せ。
オオカミ探しの方も、ルーツ探しの方もロマンチストだと思います。
猪俣党の本拠は、秩父のさらに北の児玉郡美里あたりですね。
by 三橋順子 (2019-09-26 10:02) 

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